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コラム 伝授 さしがね 2020/09/14
私が若い時に、お世話になった棟梁から受け渡された。そして、形見です。
<さしがね>です。一回も使ったことのないものです。匠の道具です。
いまでは、なかなかのさしがねを使える棟梁は少ないと思います。
このさしがねは、吉凶尺と言います。
尺相当目盛付きの曲尺で、裏面内側目盛の1尺2寸を8等分し、その各小間1寸5分に
下記の記名を記し、古来より仏像、刀剣、門戸、窓などには吉寸を用いるなど、占い
に使用され、別名吉凶尺と言われている目盛があります。
① 財 吉 財宝集まり富貴長久を掌る
② 病 凶 家内に病人多きを掌る
③ 離 凶 親類不和にして別離を掌る
④ 義 吉 親類和して孝義あり
⑤ 官 吉 高家に良く、町家に好しからず
⑥ 劫 凶 盗難、火災などの害多きを掌るなり
⑦ 害 凶 百事災害多きを掌る
⑧ 吉 吉 貴き子を生じ名を揚ぐる喜びこと多し (シンワ測定㈱様から)
この寸法を用いて施工されていたそうです。